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#analog

*DNAの突然変異機構の解析 [#t47ee24d]

**DNA塩基対の自発的突然変異機構の解析 [#j45493a4]

 生命の遺伝情報を担うDNA二重鎖の形成において、WatsonとCrickが提案した標準的な塩基対(G-C, A-T)が相補的な水素結合相互作用により正確に形成されることが、明らかになっている。DNAの複製過程において、この相補的な塩基対(G-C, A-T)がDNA配列をエラーなしで複製する際に重要な役割をする。しかし、ゆらぎ塩基対(wG-T)がDNA複製時に生成され、互変異性化することで、塩基配列の突然変異を誘発する互変異性塩基対(G*-T,G-T*)が生成される。この異なる塩基対が、DNA複製時に誤った塩基対を形成し、突然変異を引き起こす要因となっている。~
 wG-Tの互変異性化する反応機構を原子・電子レベルで解明することは、DNAの突然変異機構の解明のために、非常に重要であると考えている。~
&COLOR(red){'' 本研究では、第一原理分子軌道計算により、wG-TとG*-T、及びG-T*間の遷移機構を解析することで、互変異性化機構を解明する。''};
CENTER:&attachref(test_0.jpg,nolink);

**DNAとOHラジカルの反応機構の解析 [#i3b240cf]
 DNAは細胞内の環境や紫外線、放射線など様々な要因で損傷することが明らかにされている。要因の一つである放射線はDNAと直接相互作用し、二重鎖、塩基の切断等の損傷を引き起こす。また、DNAの周囲の溶媒中にOHラジカルなどのラジカルを生成する。このOHラジカルがDNAと反応し、DNAから水素原子が引き抜かれ、DNAに損傷が生じる。DNAの損傷は細胞の老化や死、がん細胞の発生、遺伝性疾患などを引き起こす原因となる。OHラジカルとDNAの反応機構を解析することで、DNAの損傷を抑制できる可能性がある。

&COLOR(red){'' 本研究では、第一原理分子軌道計算により、DNAとOHラジカルの反応機構を解析することで、放射線の影響によるDNAの損傷過程を明らかにする。''};
&COLOR(red){'' 本研究では、第一原理分子軌道計算により、DNAとOHラジカルの反応機構を解析することで、放射線によるDNAの損傷過程を明らかにする。''};
CENTER:&attachref(DNA+OH.PNG,nolink);

*DNA 類似核酸の特性解析 [#oac3cc7e]

**DNA塩基配列とその意味付けの重要性 [#f83cd2d6]

 生体の情報は、 DNA (デオキシリボ核酸) 中に存在する遺伝子に書き込まれている。DNAはアデニン(A)-チミン(T)、グアニン(G)-シトシン(C) の4つの塩基が特異的に結合したペア(塩基対)で構成されており、その数はヒトの遺伝子で、約30億個存在する。



 近年のヒトゲノムプロジェクトにより、ヒトの全塩基配列が決定された。その中にどのような重要な情報が隠されているかを読み解き、塩基配列に意味付けを行うことが、ヒトゲノム研究の重要課題である。

 DNAチップ(下図)などのバイオチップは、塩基配列を高速、高精度に検出する装置として必須のチップであり、世界中で精力的に開発が進められている。

CENTER:&attachref(DNAchip.PNG,nolink);

 &COLOR(red){''本研究室では、DNA、あるいはDNAに類似したPNA (ペプチド核酸)やRNA (リボ核酸) などの鎖状高分子の特性を総合的に解析し、従来のDNAチップよりも高精度なバイオチップの提案を目指している。''};

**DNA の電気伝導特性の解析 [#l87b995f]

 従来の蛍光検出方式を用いたバイオチップは、大掛かりな装置と高いコストのため、実用的ではなかった。そこで、電流検出方式を用いた、低コストでコンパクトな電気化学的DNAチップ(下図)への期待が高まっている。しかし、DNA中の電荷移動機構は未解明であり、より高精度なDNAチップ開発のボトルネックとなっている。

CENTER:&attachref(DNAchipElec.PNG,nolink);

 &COLOR(red){''本研究室では、分子シミュレーションを用い、DNA中の電荷移動機構を解明し、より高精度なバイオチップを提案し、DNA分子エレクトロニクスの発展に寄与したいと考えている。''};

**PNA や LNA を含む二重鎖の特性解析 [#x5a8221d]

 PNAとDNAが形成する二重鎖構造(下図)は、DNA同士が形成する二重鎖構造よりも安定であるという実験結果がある。また、LNA (ロックト核酸)も、DNA一重鎖と特異的に結合し、安定な二重鎖構造を形成すると報告されている。

CENTER:&attachref(PNA-DNA.PNG,nolink);

 &COLOR(red){''本研究室では、PNAやLNAを含む二重鎖構造の安定性と電子的特性を解析し、PNAチップやLNAチップが、DNAチップに代わる新たな高精度バイオチップとして、適しているかどうかを明らかにしようとしている。''};
(([[“Hybridization energies of double strands composed of DNA, RNA, PNA and LNA”>doi:10.1016/j.cplett.2006.12.017]], Natsume, T.; Ishikawa, Y.; Dedachi, K.; Tsukamoto, T.; Kurita, N., Chemical Physics Letters, 2007, 434, 133-138. ))

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*水和水の構造ゆらぎを考慮した DNA 中の電荷移動機構の解析 [#a89e067e]

**DNA ナノワイヤとDNA中の電荷移動機構解明の重要性 [#pf437995]
 以下の2点より、DNAを用いてナノサイズの回路を構築することが可能とされ、DNAナノワイヤの開発は、大規模集積回路構築の新しい基盤技術になると期待されている。

-DNAは、高い自己組織化能力による任意の構造形成と相補性による構造の複製が可能。
-DNAが電荷移動媒体として注目され、DNAを用いたナノワイヤの開発が試みられている。

 しかし、DNAの電気伝導性は、未解明な点が多く、DNAナノワイヤ開発のボトルネックになっている。従来研究では、DNA中の電荷移動について、以下のG-hopping機構が報告されている。

-長距離の電荷移動は、正電荷を持つホールがグアニン塩基を介して移動し起こる。
-グアニン塩基が複数のアデニン塩基で隔たれられると、ホールの移動効率が減少する。

CENTER:&attachref(G-hopping.PNG,nolink);

 しかし、DNA周囲の環境に依存した特性変化が報告され、DNA中の電荷移動機構の解明には、溶媒などDNA周囲の環境を考慮した解析が必要とされている。

 &COLOR(red){''本研究室では、DNA周囲の水和水がDNAの電子状態に与える影響を明らかにしたいと考えている。水和水の影響の解析は、DNA中の電荷移動機構を解明するために必須であり、DNAナノワイヤの開発に重要である。''};

**DNA周囲の水和構造の熱的変化の解析 [#f0315321]
 DNA周囲の水和水の熱的な揺らぎを考慮するため、古典分子動力学 (MD) 計算を用いて、DNA周囲の水和構造の変化を解析した。
その結果、アデニン-チミン (A-T) 塩基対を含むDNA副溝内には、Cross-Strand Binding Water molecule (CSBW) が存在することを明らかにした (下図)。

CENTER:&attachref(hydrated_DNA_structure.PNG,nolink);

**各DNA水和構造の電子状態の解析 [#ad9aa523]

 ホールは、最高占有分子軌道 (Highest Occupied Molecular Orbital : HOMO)に発生しやすいため、HOMOの空間分布を基に、ホールの移動サイトを予測することができる。構造変化に伴うDNAの電子状態変化を密度汎関数法 (DFT) により解析し、HOMOの空間分布(下図)を解析した。

CENTER:&attachref(HOMOs_on_DNA.PNG,nolink);

 その結果から、水和水の関与するホール移動機構(下図)を新たに提案した
(([[“A combined molecular dynamics/density-functional theoretical study on the structure and electronic properties of hydrating water molecules in the minor groove of decameric DNA duplex”>doi:10.1016/j.cplett.2007.05.009]], Tsukamoto, T.; Ishikawa, Y.; Natsume, T.; Dedachi, K.; Kurita, N., Chemical Physics Letters, 2007, 441, 136-142. ))。

CENTER:&attachref(hole-hopping-model.PNG,nolink);


*DNA二重鎖の電気伝導特性解析 [#la3b5c9f]
 DNA二重鎖は電子デバイスとして様々な特性を持っており、電子デバイスとして応用することが期待されている。~
 (上記 DNA ナノワイヤとDNA中の電荷移動機構解明の重要性 参照)~
 DNA二重鎖はナノスケールのサイズ故に、その電気伝導特性は実験環境に依存することが多く、統一的な結果が得られていない。~
 また、電荷の移動機構の解析では電気伝導に関する直接的な物理量は評価できない。

CENTER:&attachref(無題.jpg,nolink);

 &COLOR(red){''本研究室では、分子シミュレーションにより直接的に電気伝導特性を高精度に評価できる手法を開発している。''};

*人工核酸塩基の特性解析 [#u5df699a]
**アデニン塩基を修飾した人工核酸塩基 [#h16c4a9a]

 天然のDNA二重鎖を実際の電子デバイスの素子として応用するには、以下の解決すべき問題がある。

-アデニン塩基の電荷移動効率が低い。
-グアニン塩基が容易に酸化分解されてしまう。

そこで、高性能なDNAデバイスの実現のため、以下に示すアデニン塩基を修飾した人工核酸塩基が合成された。しかし、実験で明らかになっているのは、電荷移動効率のみであり、電気伝導度については、未だ明らかになっていない。

 &COLOR(red){''本研究室では、人工核酸塩基を含むDNA二重鎖の電気伝導特性を解析し、さらに電気伝導度に優れた新規の人工核酸塩基を提案したいと考えている。''};

CENTER:&attachref(artificial_bases.png,nolink);
CENTER:実験から合成された人工核酸塩基

**人工核酸塩基を含むDNA二重鎖の電気伝導特性の解析 [#v051d677]

 アデニン塩基を修飾した人工核酸塩基を含むDNA二重鎖の電気伝導特性を解析し、それらの人工核酸塩基の電気伝導度が向上する要因を明らかにした。さらに、その結果に基づき、より電気伝導度に優れた人工核酸塩基(下図)を新たに提案した(("A combined nonequilibrium Green's function/density-functional theory study of electrical conducting properties of artificial DNA duplexes", A. Okamoto, Y. Maeda, T. Tsukamoto, Y. Ishikawa, N. Kurita, Computational Materials Science, 2012, 53, 416-424.))。

CENTER:&attachref(novel_artificial_bases.png,nolink);
CENTER:本研究で提案した新規人工核酸塩基


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//CENTER:&attachref(,nolink);

// &COLOR(red){''''};


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 DNA 類似核酸の特性解析及び水和水の構造ゆらぎを考慮した DNA 中の電荷移動機構の解析は、米国プエルトリコ大学との共同研究です。
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